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【夢は現】今日観たアニメーション映画2本を10点満点でレビュー【現は夢】

映画

うる星やつらビューティフル・ドリーマー【7点】

押井守が監督、脚本を手掛けただけあり哲学的要素満載。原作のキャラクター達の魅力を活かしたと言うより、原作を利用して押井守監督の自己顕示欲を発散したような感じ。しかしまあ、よく出来ていた。面白かった。自分が存在している世界が誰かの夢だと気付かず遊び呆ける登場人物達は、便利さに甘え、用意された娯楽に興じる現代人の姿と重なる所がある。

高橋留美子の同名人気マンガを原作に、1981年よりテレビアニメ化された作品の劇場版第2作。原作及びTVシリーズの中心的主題であったあたるとラムのラブコメ展開をスケールアップさせた劇場版第1作だったが、その同時上映だった相米慎二監督『ションベン・ライダー』を観てその映画としての自由さにひどくショックを受けた押井守の、リベンジ的作品である。
“友引高校の文化祭前日”がどういうわけか毎日続くことに気付いた瞬間、あたるやラム、面堂やメガネたちレギュラー陣を除き、友引町から人々が姿を消す…。TVシリーズ当初からチーフディレクターをつとめ、本作で「うる星やつら」を離れる押井守が、永遠に続くかに見える作品世界そのものにカツを入れた、本来の意味で完結編といってもいい大傑作。(田中 元)

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

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パプリカ【6点】

筒井康隆氏の同名原作をアニメーション映画化した作品。最近のアニメーション映画としては珍しく登場人物に美男美女は少なく、キモいデブ、キモいおっさんが殆どだったので相対的にヒロインが可愛く見えたが、実際はヒロインもそれほどではない。不気味なシーンが平沢進氏の音楽と相まって独特の雰囲気を醸し出していた。悪趣味ではあったが、作画が非常に繊細で、惹き込まれるものもあった。期待していた程、深いテーマも真新しさもなく、ライトでポップな映像作品といった感じ。然程印象には残らなかったが、そこそこ楽しめた。

医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか? 事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。
千年女優』などで知られる今敏の最新作アニメ。アニメの魅力のひとつはメタモルフォーゼにあるが、本作ではそれが人物ひとりの変容だけでなく、世界を変容させていく。例えば刑事の夢の中に入った時は、瞬時に場面が『ターザン』の一場面になったりスパイ映画になったりするのだ。夢の世界が舞台なだけになんでもできるという状況を、今敏監督は逆手にとってまさにイマジネーションの洪水ともていうべき展開を見せるのだ。ストーリーも魅惑的だが、その映像に酔いしれること確実の、アニメとしての魅力にあふれた素晴らしい作品だ。(横森 文)

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